徒然なる戰藻錄

WoTとWoWSをプレイしているところなのです

潜水艦狩り

1-5での新任務実装に伴い、簡単に小噺でもと思い、息抜きに手がけました。

本土近海における対潜水艦戰鬪のお話。



艦娘たちから成るGF―――聯合艦隊―――を指揮して深海棲艦隊と全面戦争に突入して2度目の冬のできごと。
たしか12月のはじめの頃だったと記憶するが……

自分は対潜部隊の一部を小笠原・硫黄列島方面に送り出した。
深海棲艦隊の潜水艦部隊が、本土南方洋上に展開しつつあるとの情報が入り、対潜掃蕩部隊である第三一戰隊を派遣、敵潜を撃滅するのが目的だった。

この時、第三一戰隊には旗艦・扶桑、航空支援艦の祥鳳、対潜艦に能代、夕張の4艦を配備していた。

対潜任務のため、全艦、対潜裝備を施しており、対空・対艦武裝は施されていなかった。
本土近海に深海棲艦の洋上艦艇が来寇することはほとんどなく、たとえあったとしても、本土東方の南鳥島、ピーコック島、MS諸島の各基地航空部隊が定期的に哨戒機を飛ばしているし、徴用漁船からなる特設監視艇部隊が、本州東方洋上700海里に哨戒線を形成しているので、深海棲艦隊の洋上進攻に対する早期警戒体制はまずは十分な態勢が敷かれていた。

出撃した三一戰隊の各艦は開戦以来の歴戦の古参艦で、新参の能代もカレー洋での対潜戰鬪で数々の武勲を挙げており、その対潜戰鬪能力は古参の3艦にひけをとらなかった。

本土南方洋上の天候は概ね晴れ―――
雲量も少なく、対潜機の飛行や索敵飛行に支障もなかった。

戰隊の対潜戦果は早々と挙がった。
扶桑を飛び立った瑞雲が青ヶ島の西方洋上で敵潜を捕捉、3番爆弾(30瓩爆弾)を投下して不確実ながら撃沈を記録した。
母島沖では浮上中の敵潜を祥鳳の九七式艦攻が発見、緩降下爆撃でこれを撃破した。
しばらくして現場海域に能代と夕張が到着し、潜伏していた敵潜を探信儀にて発見した。爆雷戦を仕掛けたところ、大量の残骸が浮かび上がったことから撃沈確実と判断された。

上々の戦果を挙げていた第三一戰隊に、硫黄島通信隊からの救援要請が届いたのは、午後も遅い時間になったころだった。
硫黄島の西方洋上で、北上中の船団が複数の潜水艦に襲撃され、損害が生じているというものだった。

その船団は2,000~3,000総噸級輸送船2隻、4,000総噸級貨物船1隻から成っており、2艦の艦娘が護衛に附いていた。
貨物船は内地へ送る燐鉱石や各種資器材を積んでいたが、輸送船はラバウル、トラックで内地送還の傷病兵を乗せ、サイパンのガラパンに入港した際には、内地帰還の邦人多数を乗船させており、その乗船人員は2,000名ちかくに達していた。

母島の東方に展開していた戰隊は至急報を受信後、ただちに針路を南西にとり、発艦させていた対潜機を回収しつつ進撃を開始した。
情況確認と船団の正確な位置の把握のため、祥鳳から2機の彩雲が発艦、扶桑も4機の瑞雲を扇状に設定した索敵線に沿って発艦させた。

同時に、三一戰隊は部隊を2つに分けた。
これは扶桑からGF司令部に具申されたもので、自分はこれを了承した。
もともと4艦しかない部隊を分割することは、戦力集中の点から言って問題があった。だが扶桑は、いまは迅速に救援部隊を船団に合流させるべきと主張してきた。

扶桑は低速の旧式戰艦であり、機関の調子がすこぶる快調でも22節(時速約40.7粁)程度が限界であった。ただ、今回は重い主砲類は搭載せず、対潜機ばかりを装備しているので、機関を全力運転させて25節(時速約46.3粁)は出せるのではないかと思われた。

一方、能代と夕張は35節(時速約64.8粁)ちかくの最高速力を誇り、その高速性能はこういった際に威力を発揮する。

扶桑は能代と夕張を分離し、最大戰速で現場海域へ先行させた。
扶桑は祥鳳を従え、その後方から22節で突進した。

午後も遅い時間となり、太陽は西の水平線にさしかかろうとしており、洋上には夕闇の気配が漂いだしていた。
その洋上では、小柄な艦娘が2艦、白く長い航跡をひきながら疾駆し、2隻の輸送船は必死の之の字航行を繰り返していた。

船団上空に最初に到達したのは扶桑の瑞雲で、敵味方識別のバンクを振りつつ対潜哨戒にとりかかった。
つづいて、瑞雲からの連絡を受けた彩雲が到着し、対潜警戒を開始した。
ほどなくして瑞雲が船団の東側に黒い影を発見、3番爆弾を投下した。爆弾炸裂の水柱がおさまるころには、洋上にいくつかの残骸が浮かんでおり、多少ながらも打撃を与えたことが確認された。

護衛艦娘の第一五號驅潜艇が艦本式ヂーゼル機関をフル稼働させて現場に急行、艇尾の爆雷投下軌条から断続的に3つの爆雷を投下した。

深度60米で炸裂した爆雷のうち1つが至近弾となったようで、3つの爆圧による水柱が立ち昇るのと同時に、断末魔の悲鳴をあげて潜水ヨ級が浮上、そのまま波間に殪れ伏し、ゆっくりと沈んでいった。

能代と夕張が現場海域に到達したのはそれから2時間後のことだった。


2艦は檣に味方であることを示すべく、旭日軍艦旗を翩翻とはためかせていた。
対潜戰鬪に長けた巡洋艦娘の到着を見て、必死の回避行動を繰り広げている輸送船の乗員乗客からは、期せずして万歳の声が上がった。

扶桑と祥鳳の対潜機が代わる代わる飛来しては哨戒と攻撃を繰り返したが、敵潜は相当数が潜んでいるようで、2艦が到着した時には、貨物船の明神丸は右舷船尾に2本命中(うち不発1本)してゆっくりと沈みつつあった。

船団のもう1艦の護衛艦娘である第二四號海防艦は、貨物船からの脱出者救助を驅潜艇に任せ、巡洋艦娘とともに周囲の対潜警戒にはいった。
「我、爆雷残数ナシ」
海防艦は敵信傍受を警戒し、発光信号で2艦に連絡してきた。
「敵潜捕捉ニ務メル」

能代と夕張は互いに頷き合い、二手に分かれた。
「合戦準備! 爆雷戦用意」
能代は船団東方、夕張は西方に移動し、夕張の前方700米を走る海防艦は搭載する対潜探知装置を作動させた。

サヴ・ハント―――対潜戰鬪は分の悪い勝負である。
対潜水艦戦にあらゆるものをつぎこんだとしても、海は大きすぎ、人員裝備は不足している。

対潜戰鬪はまず、敵潜が潜んでいそうな海域の特定から始まる。
海域を時間をかけてじっくりと精査し、敵潜の存在を、痕跡を、見つけ出さなければならない。
敵潜の活動の兆候を捉えたら―――
次は潜水艦そのものを捕捉しなければならない。

その手段はおおきく2つにわかれる。

アクティヴ戦とパッシヴ戦だ。
能代や夕張には三式探信儀が搭載されている。これはアクティヴ・ソナーであり、音を放射し、目標などに当たって跳ね返ってくる音を拾って、敵潜との距離を測定する。
アクティヴ戦は積極的に敵潜を追い求め、もしくは対潜艦艇の存在を知らせることで敵潜を海中深くに引きこもらせる戦いになる。
とはいえ、探信可能な範囲は限られているし、海の深さ、海流、海水温、塩分濃度といった海中の状態に左右される。

一方、パッシヴ戦は敵潜の稼働音、魚雷発射音を聴いて敵潜の存在を知る戦いだ。
パッシヴ戦では距離の測定は不可能に近いが、聴音機と聴音手の能力次第では、数度の誤差の範囲で敵潜の潜んでいそうな方位を把握することができる。

驅潜艇をふくむ各艦艇に聴音機は装備されており、対潜戰鬪が不可能な戰艦にすら、敵潜の魚雷発射音の捕捉という目的から装備されている。

海防艦は10節前後にまで速度を落とし、聴音機の捕捉範囲を拡大させている。
その後方で、夕張は三式爆雷投射機を用意し、海防艦からの敵潜探知の報が届き次第、必殺の爆雷を叩き込む準備を整えている。

深海棲艦隊の潜水艦部隊は、初期の頃はてんでばらばらに統制のない攻撃をしかけてきたので、その対処は容易であった。むろん、それなりの対潜戦力は必要であったが。

しかしいまや、深海棲艦の潜水艦隊は狼群戦法と称する、複数の潜水艦が連携して標的を包囲攻撃する戦法を頻繁に採るようになった。
つまり―――
敵潜の第一撃の発射ポイントに気を取られていると、真反対の方角など思わぬところから別の潜水艦が魚雷を発射してくるのだ。

瑞雲や祥鳳艦攻隊はその点を考慮していたのだが、敵の錬度も高いのだろう。明神丸への魚雷命中を食い止めることができなかったのだ。

141211

対潜弾を投下し尽くし、燃料も心細くなった対潜機が三々五々、北東の方へ去っていく。
それと入れ替わるように、また何機かの瑞雲や艦攻がやってくる。

これら対潜機とともに、能代、夕張は船団の四方を目を皿のようにして海面を、海中を睨んだ。

そして―――

「探知! 探知!!」
海防艦が舵を右に切り、増速する。同時に探信儀を作動させて敵潜の正確な位置の特定をはかる。

夕張が続航する。
上空には3機の瑞雲が旋回している。

「方位125度、雷跡3本!」
海防艦の警報にはっとなって海面を見やれば……

夕暮迫る海面に白い条を引く魚雷の航跡が―――
深海棲艦の使用する魚雷は海水に溶けにくい排ガスを放出する空気魚雷に類似したタイプなので、酸素魚雷と違って雷跡が海面に浮かび上がってくる。魚雷接近の警告、敵潜位置の特定は容易だ。

魚雷はゆっくりと扇形に広がっていく。
その進行方向と各艦の位置を見たが、どの魚雷も命中コースには入らないようだ。

鈍足の輸送船は魚雷の針路と交差しないよう舵を戻している。
その雷撃になにか引っかかるのを感じ取った夕張は、船団の反対側にいる能代に連絡した。
「敵潜ノ雷撃ノ恐レアリ」

海防艦が夕張の方をちらっと見やり、海面を指差して敵潜の位置を知らせてくる。
海防艦が通りすぎた海面へ、2機の瑞雲が時間差を置いて3番爆弾を投下する。
爆弾が敵潜に命中すれば御の字だが、たとえ命中しなくとも至近距離で炸裂すれば、爆圧による水圧の破壊効果で敵潜に十分すぎる打撃を与えることができる。

ひとつ、ふたつ...

爆弾炸裂で海面が泡だち、ついでドォッと水面が盛り上がる。

水中爆発の衝撃を感じつつ、夕張が敵潜捕捉位置上方を航過する。
三式投射機から爆雷を断続的に投下。

深度30~120米で爆発するよう深度をランダムに調定してある爆雷を複数投下することで、敵潜の潜航深度が浅かろうが深かろうが打撃を与えられる。

数秒後―――

水中で次々と爆雷が炸裂する。
海面が盛り上がり、夕日を浴びてなお白い水柱が幾本も噴き上がる。
その水柱に突きあげられるように、艦体の半分を吹き飛ばされたカ級潜水艦が、両手を広げ、くるくると回転しながら宙を舞った。
海面に叩きつけられ、敵潜はそのままずぶずぶと沈んでいった。

敵潜撃沈確実。

やった、と笑顔を海防艦に向けようとして、夕張はすぐに周囲の警戒に入った。
敵潜はいまの撃沈したカ級だけとは限らない。
戦場で気を抜けば、すぐさま自身の命取りになりかねない。

そのとき、船団の反対側で爆雷炸裂の轟音が轟いた。
「発能代、宛夕張。95度方向敵潜探知。爆雷投下効果不明」

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やはり潜んでいた。
幸いにも、反対側には能代が控えている。
潜水艦の跳梁が激しいカレー洋方面で対潜戰鬪の経験を積んできた彼女なら、単独でも敵潜を撃沈制圧できるだろう。

漸く―――
扶桑と祥鳳が現着した。
北東方向、藍色に染まった空を背景に、友軍を示す発光信号を明滅させながら―――

戰隊全艦が到着した。
これでもう敵潜に手出しはできない。
対潜機が迅速に反復出撃できる母艦が到着したのだ。各艦の爆雷残数は心許ないが、扶桑と祥鳳の対潜用3番爆弾、より強力な6番爆弾、25番爆弾は山と積まれている。

對空戰鬪ができない潜水艦なので対潜機の消耗はほとんどなく、扶桑と祥鳳の2艦合計で40機ちかい対潜機がいまなお使用可能だ。

これで勝つる―――

誰もが思った。
戰隊と海防艦、驅潜艇で残った輸送船を挟むようにして護衛し、一路北上して本土を目指すだけだ。
いざとなれば父島の二見港にはいってしまえばいい。

そんな思いが―――
仇となった。

夕張の聴音機が220度から260度方向に魚雷発射の特徴的な音響を捉えた。
「魚雷発射音感知! 220度方向から260度! 対潜警戒!!」

太陽は水平線に半分近く沈み、海上は夜の闇を増しつつある。
魚雷の白い雷跡の視認は困難であり、夜光虫が群れてもその光は夕日を映す海面によって認識しにくい。

この場合、パッシヴ・ソナーの感度低下を犠牲にしてでも速度を上げ、魚雷回避の自由度を高めておく必要がある。
夕張だけでなく、輸送船もふたたび之の字航行を始めている。
輸送船はこの時代の平均的な性能の船のため、出し得る速力はよくて12節。鈍足と言って過言ではない低速船だ。

そういった輸送船の唯一の対潜戦法は、魚雷の早期発見と必死の之の字航行しかない。

夕張が探信儀を作動させて南西方面に弧を描くようにして進路を変更していくと、右舷200米の海中を魚雷のようななにかが掠めすぎていった。
魚雷のようななにか、ではなく魚雷だ。

じっと目を凝らすと、少なくとも3本の雷跡が船団へと向かって伸びていくのが見えた。
「しまった!!」
艦砲を、14糎主砲……いや、この際12糎7高角砲でもいい、砲熕兵裝があれば、魚雷の進路上に着弾させ、破壊することができたかもしれない。
だけど夕張は探信儀、爆雷投射機といった対潜裝備しかない。

できることは、魚雷がどのフネにも命中しないことを祈るだけ。

と―――
魚雷の進路上でもたもたと回避行動をとる輸送船と魚雷のあいだに、1艦、艦娘が白波を蹴立てて割り込んできた。

第二四號海防艦―――

その意図を察した夕張は、届かないとわかっていても思わず、叫んでいた。
「待って!! 早まらないで!!!」

海防艦は魚雷進路上で減速。
あどけなさの残る顔に決意の表情を浮かべ、じっと魚雷を見つめ続ける。1本たりと逃すまいと……

ふと...
夕張と目が合った―――ような気がした。
小さく、にこっと笑ったように見えた。

それを確認することはできなかった。

第二四號海防艦を消し飛ばすように―――

大爆発が起こった。
海面が小山のように盛り上がり……穢れなき純白の水柱が墓標の如く立ちあがった。

つづいて―――
第二、第三の魚雷が爆裂し、より一層の水柱が奔騰し、夕日に照らされた海面に泡立つ波紋が広がっていく。

そして―――
それらが消えた後には、破片一つ、見分けられはしなかった。

それが―――

艦娘、第二四號海防艦の最期であった。


戦後―――
数年ほどして、自分や夕張は第三一戰隊の戦友会の席で彼女……第二四號海防艦の御遺族の方と面会する機会を得た。
その時に、艦娘に選ばれる前の少女時代の名前を知ることになった。
第二四號海防艦に選ばれた彼女の本当の名前は清美といった。

参会されたのは彼女の父親であったが、自分や夕張が目の当たりにした一部始終を物語るあいだ、じっと瞑目し、耳を傾けておられた。

そして―――
問い返された。
「それで……敵に狙われた船は、どうなりました?」
「はいっ!」
夕張が勇んで答えた。
「彼女の挺身のおかげで、無事、横浜にたどり着きました」
「それはよかった……」
深く頷き―――

彼女の父親は、呟くように言った。
「ならば、清美の命も、とりあえず……御國の役に立ったわけですな」
「言うまでもありません!」
扶桑が静かに、しかし力を込めて説明した。

「第二四號海防艦の壮烈な献身的防禦機動により、軍民あわせて千数百もの命が救われました。惜しんでも余りある犠牲ではありましたが、彼女の決断がなければ、おそらくあの海上で一大惨事が……恐怖を呑みこんで海上移動する市民の方々、戰傷、戰病の動くこともままならない負傷兵の大半が亡くなっていたかもしれません」
「そう……それならば、よろしい」

一人娘の戦死報告が届き、戦後は飛騨の山奥にこもり、ひとりで林業を営むという清美―――第二四號海防艦の父親は、日焼けした顔をかすかにほころばせた。
「清美は……生真面目というか、融通の利かん子どもでしたので、先だった家内など、あいつがなにか...お仲間に迷惑をかけて死んだのではないかと、いつまでも気にしておりました。
しかし……よかった……
今日、みなさんのお話を伺って、心のつかえがとれました。
これで、わたくしも、堂々、胸を張って清美に会いに行けますわい」

さすが―――
この父にして……の思いで、その場に居合わせた者たちは、こぞって、目頭に手をやったものである。

深海棲艦隊に対抗できるのは、選ばれた少女にのみ与えられる艦娘という力。
そのため―――
親からすればまだ子どもでしかない少女を、御國のためにと戦地へ送り出さねばならない当時の過酷な情況は、平和ないまの時代には想像もつかないことだろう。
青春のなんたるかを知らないまま戦場で散っていった彼女たちと、彼女たちの両親家族の葛藤たるや、この平和な時代に生きる人々にどう想像できるだろうか。

深海棲艦隊とのあの戦争は長く続いた。
その間、多くの艦娘が太平洋に散っていった。

聯合艦隊の主力艦娘と違い、多くの少女たちは小柄な海防艦、哨戒艇、潜水艦として就航していった。
消耗品のように扱われ、船団護衛、泊地警戒、航路哨戒など―――

縁の下の力持ちとして、彼女たちの活躍なくしてあの戦争を戦い抜くことは非常に困難であっただろう。
そんな彼女たちの喪失は、いつも、自分たちの心に苦い悔いを残した。

彼女たちは、一様に、一途で、ひたむきで、あまりにも純情だった。

一死をもって國に殉じようという一念が、ともすれば、彼女たちに早すぎる決意を固めさせてしまうのだ。

だから―――

自分やGF主力の艦娘たちは、口を酸っぱくして、彼女たちを諭さねばならなかった。

死ぬな!
貴女たちが死んでも喜ぶのは敵だけなんだから……と、短慮を諫めた。

艦娘になった以上、死は、嫌でも追いすがってくる。
そのなかで―――

真に死處たるべき時を見つけて、潔く我が身を投げ出すことこそが、女子の本懐につながるのだ。

その時まで、決して命を粗末にするな……軽々しい挺身は匹夫の勇にすぎない……と教え込んだ。

それでも―――
彼女たちの熱血的行動を押しとどめることは困難であった。

だから自分や聯合艦隊主力の艦娘は強大な深海棲艦隊に幾度となく立ち向かっていった。
彼女たちの犠牲を無駄にしないため、これ以上の犠牲を出さないために―――



壁|'-')ノよいお年を。
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