徒然なる戰藻錄

WoTとWoWSをプレイしているところなのです

ひゃくものがたり

130822f
一等巡洋艦『青葉』


百物語、みなさんは知ってますよね?
火のついた100本の蝋燭を立て、怖い話をひとつするごとに火を消していく―――
すべて消えたとき、恐ろしいことが起きる……というアレですね。

でも、青葉、ちょっと疑問に思ったのですよ。

話を終えるたびに蝋燭の火を消すといいますけど、80話、90話なんてぐらいになれば、火のついた蝋燭は根もと近くまで減っていると思うんですよね。
ということは、話が長引いたりしたら、あとのほうの蝋燭は自然に消えちゃうと思うんです。

だから百物語の蝋燭の扱いは違うんじゃないかなと思ったんですね。

話を終えたら蝋燭の火を消すのではなく、隣の部屋か何かに置いてある蝋燭に火をつけていくんじゃないか……もしくはもっと違うやり方があるんじゃないか……

青葉、そう考えたのです。

そのことについて調べていた時に起きた、ちょっとしたお話なんです。


その日は鎮守府で発行する新聞の取材などの仕事がはやめに終わったので、青葉、いつもよりはやく部屋に戻ったんです。そしたら部屋にある電話が鳴るんです。
かけてきたのは鎮守府新聞の編集を手伝ってくれている、航空母艦の加賀さんからでした。
「あなたって、幽霊信じなかったよネ」
「ええ、信じてませんよ、幽霊なんて」
「そうよね。でも悪いんだけど、その取材に行ってくれないかしら」
「えっと……幽霊のですか?」
「いえいえ違うわ。今日ね、鎮守府近くのある場所で、百物語をやるって話がはいったのよ。その取材に行ってくれない?」

そんな話になったんですね。
夕方から雨もしとしとと降りだしていたので、青葉としてはあまり気乗りしなかったんです。

「百物語ってのはね、話した後にナニかが起こるっていうから、それがどういうものかと、あと写真ね。写真を何枚か……ああ、あと感想も。終わった後にナニがあったかを、まとめればいいんだから、簡単でしょ。だから行ってクレナイ?」
「わかりましたぁ」

珍しく加賀さんが青葉のところに電話までしてきたんですからね、断るのもなんですし、引き受けることにしたのです。
加賀さんに教えてもらった場所は、鎮守府の艦娘寮からちょっと時間はかかりますが、行けなくはない距離にあるお寺でした。

小ぶりだった雨も、お寺に着くころにはもうどしゃ降りになっていました。
こんな天気でもやるのカナ? と思いましたけど、むしろこういった天気の方が盛り上がるのかもしれないですよね。
お寺の方を見ると、明かりが灯っているんですね。
ああ、いるんだなぁっと思いました。

130822g

青葉、明かりのある方へトットッと上がっていったら、10人ほどの人が車座になって座っていたんですね。
「失礼しま~す」って、そばに座ると、話は始まったんですけど、青葉、疲れてきちゃって、ウツラウツラ……寝ちゃったんです。

それで、ウッ……て目が覚めると、最後らしい人がですね、
「わたしは、そうして死にました」っていう話をしているんですよ。
しばらく―――
誰も黙っているんで、
「すみません、終わったんですか???と聞いても、返事がないんですよ。

「もう終わったんですよね???とほかの人に聞いても、やっぱり返事がないんですよ。
返事もないし、終わったのだろうとひとり合点して、「じゃぁ、すみませんが写真を1枚撮りますねー」と、立ち上がって、バッグから写真機を出して、バシャッとフラッシュが光った瞬間、青葉、ナニも見えなくなっちゃったんですよ!!

(あれ???と思って、なぜかそこで目が開いたんです。起きていて、写真を撮っていたはずなのに―――

青葉、なぜか横になっていてですね、まわりには誰もいなかったんですよ。
すごく気持ち悪くなっちゃって、お寺を飛び出して、ひたすらまっすぐ寮に帰ってきたんです。

それで、遅い時間でしたけど、とりあえず報告をと思って、加賀さんに電話を入れたんです。

「なにかしら」
「行ってきました」
「どこに???
「だからぁ、行ってきましたよ」
「なんのお話???って、加賀さんが言うもんですからね、青葉、いままでのことをお話ししたんです。

そうしたら、加賀さんが、
「あなたの話はわかるけど、わたしはあなたに電話していないわ」って、言ったんですよ。

次の日、青葉、例のお寺のところに行ったんですが、そんなお寺、なかったんですよね。

それに―――

お寺に行けって電話してきた加賀さん、やけに饒舌だったなぁといまになって思うんです。

青葉、誰から電話を受けて、ドコに行ったんでせう???


-終-

参考出典:稲川順二/百物語
関連記事
スポンサーサイト

コメント

NO TITLE

あまりに暑いのでやってしまった(*'-')

そして書いてる途中で外が暗くなって雷が……

うん、たしかに涼しくなった☆ミ

稲川系の恐い話はさいこーですよヽ(´ー`)ノ

NO TITLE

稲川順二で納得。
艦これ・青葉でも十分にこわかったー!

でも「せっかく呼んだのに寝ちゃったよこの子」みたいな扱いで
「じゃあシメだけやってもう(あちらへ)返りましょ」なんて感じだったらちょっと笑えますね^^

コメント投稿

管理人にだけ読んでもらう